ソーシャルが日常化し、ウェブサイト上でもFacebookやTwitterのソーシャルボタンというのはよく目にするようになったと思う。それに伴い、Google AnalyticsやAdobe Analyticsでソーシャルボタンの利用数を計測している企業も増えている。
ただ、アクセス解析で計測している数値と、実際にウェブページ上で表示されている数値が合わない!ということをウェブの担当者から言われることがあり、少々困ったりもする。
各ソーシャルの仕様等もあり面倒なので、ソーシャルボタン計測については予め「あくまで参考値だからズレるよ」ということは言うわけだが、なんだかんだで「アクセス解析側の設定ミスなんじゃないか」とか言われることもあるので、数値が合わない理由をザッと書こうと思う。
そもそものソーシャルボタンのアクセス解析での計測方法については、いろいろなブログ等で紹介されているので、適当にググっていただければ幸い。一応参考までに、Twitter公式のツイートボタンのAdobe Analyticsでの計測方法だけ載せておきます。
/* sample:こんな具合でs_code.jsに書いておけば計測できる */
if(typeof(twttr)!='undefined' && typeof(twttr.events.bind)!='undefined'){ twttr.events.bind('tweet',function(event){
s.linkTrackVars="events,eVar1";
s.linkTrackEvents="event1";
s.eVar1="tweet";
s.events="event1";
s.tl(this,'o',name);
});
}
本題に戻りまして。
ソーシャル上での表示とアクセス解析ツールの数値が合わない理由はいくつかあるが、大きく分けると「タイミングの違い」と「データの引っ張り方」が大きな要因だと思う。
《計測のタイミングの違いについて》
- Facebookやmixiについては、クリックのタイミングでアクセス解析に計測される。(ソーシャル上に投稿されなくても)
- TwitterやGoogle+はクリック後、各ソーシャル上に投稿されてからアクセス解析に計測される。
まずSNSの種類によっても上記のように計測タイミングの違いがある。
例えばFacebookいねボタンの場合、一度クリックされるものの、その後に投稿しない、もしくは取り消し操作を行った場合はアクセス解析側には”1”という数値が計上されるものの、サイト上でのいいね数は”0”になっている、ということが往々にして起こりうる、ということである。
一般的「ではない」タイプのボタンであればTwitterやGoogle+でもクリックのタイミングで計測できるタイプに変更可能なため、FB等と同じ計測タイミングに変更することはできる。ただ若干画像を用意したりと、手間がかかることもあるので、その辺りは好みに応じてやれば良いと思う。
何はともあれ、上記についてはまず解消できない課題なので、数値のズレは起こるものと理解の上、「アクセス解析上で計測されたソーシャルの数値は、それ相応の活用方法で用いる」、というのが正しい考え方だと思う。なお、下線部についてはいずれ気が向いたら書こうと思う。
《データの引っ張り方》
これは特にTwitterの公式ボタンについてなのですが、ツイートボタンの横とか上に出る数値は、「ボタンを使ってツイートされた数ではない」ということ。多分ここに表示される数字は、Twitter上で当該ページのURLが含まれたツイートがどれだけあるか、という数値だと思われる。
実際、数値の部分をクリックしてみると表示される投稿群を見てみると、URLコピペで貼ったツイートもあれば、当該ツイートに対するリプライ上にURLが含まれるケースも表示される。ということで、このボタンの隣にある数字は、「ボタン利用数」ではなく「Twitterプラットフォーム上での話題数」になるので、当然アクセス解析ツール上での計測とはずれるし、そもそもの読み方が誤解されている可能性もある。 ちなみにFacebookのLikeなどは多分ボタン利用数に近いと思うけれど、これもこれで不安定な動きをすることがあるのでよく分からんす。
とりあえず「ソーシャルボタンの利用数をアクセス解析ツールで計測する場合は、計測タイミングをちゃんと理解しよう」、そして「ボタンの横の数字の意味を理解しましょう」ということ。
その上で、ウェブ解析上でのボタンデータの使い方は、流入数との相関や、広告タグやターゲティングデータとの組み合わせでより価値を出していくべし、というのがザッと個人的に思うところです。