「戦略なくしてKPI無し!」
と思うのです。
(注:本稿は、ある程度の規模感のあるウェブサイトを、複数部署に渡って運営されている企業におけるお話です。
なお、先に要約すると、「ウェブ戦略、KBRに基づいたダウンストリームのKPI設計よりも、KPI先行のボトムアップ型ウェブ戦略設計を進めよう」というアプローチについて綴ったものです。)
当たり前です。
ウェブ戦略無しでKPIなんて立てられっこないじゃないですか。
月間マックス数十万〜数百万PV程度の中小規模のサイトならまだしも、億単位のトラフィックのあるサイトとなれば、それはもう無理でしょう。
ディレクトリ毎にサービス内容も違うし、集客・回遊・コンバージョン・会員専用などなど役割も違う。
加えて、それぞれに担当する部署も違う。
KBRはバラバラに立つし、当然その下のKPIもバラバラ、データの取り方も薔薇薔薇。
全社一元管理とか無理っす。もうプロファイル切るの疲れました、てかもう管理してませんけど、データ混ざりまくりですけど、的な。
そんな中で、とりあえずKPI設計しろとか、「ちょっと待て」と。
”カスタマージャーニー”とか流行ってっけど、その前にやることあるだろ、と。
ウェブ戦略!!
「まず企業としてのウェブ戦略立てましょうよ!」と言いたい。
言いたい、というか、言ってた。
けど、まぁ、そんなに上手くいくわけない。
だって、一つのドメインの中に多くの部署が関わってて、ステークホルダーもわんさかいて、みんな自分の業務をこなすことでイッパイイッパイですもの。
他部署のことなんて気にしてる場合じゃない、というか、気になってても追い切れない。
そんな状況下でウェブ戦略なんて出てくるかい?否!!出てくるわけない。
出てきても、現場を知らない、今のウェブのトレンドも知らない上の方から落ちてきたものはすぐに形骸化する。
というか、戦略てもの自体、毎年のようにトレンドが移り変わるウェブにおいてそぐわないのではないか。
え!? じゃあもう、ウェブ戦略とかいらなくね?
と、ふと気付くわけです。
うん、もう、ぶっちゃけウェブ戦略とかいらないと思う。
嘘、ウェブ戦略自体は必要。それは心の底から思う。
けど、アプローチとしては、戦略ありきのKPIへの落し込み、という流れじゃなくても良くない?と。
正確に言うと、「戦略」とか「概念」を落とすんじゃなく、その辺全部隠してKPIを先に各担当に落とした方が、実は早いし納得感あるんじゃない?
てか、KPIって、逆説的だけど、サイトの目標・目的を明確化するものでもあるんだから、そっち先にできるなら、そのほうが何かと都合が良い。
っていう。
で、こっからが本質である。
KPI=指標を司る人間は誰か?
答え:アクセス解析担当者である。
ある程度アクセス解析スキルに習熟していれば、KPIなんてなんぼでもコントロールできるのです。ごめんなさい。余裕でコントロールしちゃえます笑笑笑
数値自体ではなく、あくまで「考え方」のコントロールですが。
KPIは我が手の中にあり。
KPI設計から入ったほうが諸々と担当者レベルでは手っ取り早い。
その裏、実はそのKPI、戦略的に操作されてるんですぜ、っていう形にした方が実は組織としてのウェブ戦略を浸透させるには良いんじゃないか、という気がしてくるのです。
そんなこんなを思った結果、“「KPI設計」という名の戦略設計”こそが実は重要なんじゃないかと。
ウェブ戦略、KBRに基づいたダウンストリームのKPI設計よりも、KPI先行のボトムアップ型ウェブ戦略設計こそ、実は取り組むべき手法なのではないか、と。
そして、そのウェブ戦略を描くのは経営層でもなければ、各部署の担当者でもない。アクセス解析管理者こそ重要なのではないか、と思うわけです。
まぁ、暗黙裡の戦略すら立てられないようでは、これまた絵に描いた餅なわけですが。