サイト内検索は宝の山

個人的に好きな分析がありまして。それが「サイト内検索」の分析です。

なぜ好きか?

  • 自社名ワードがノイズになる外部検索エンジン流入キーワードとは違い、ユーザーの目的・ニーズが如実に表れるレポートなので。
  • また、アクセス解析だから取れるその後の行動指標と合わせて見ると、結構簡単にサイトの問題点が見えてくる。

という代物だからであります。いやー、便利。っていうか楽。

また同時に、弊社の場合は

サイト内検索結果を利用するユーザーはCVRが高い

ということが明確なので、注力していたりします。ということで、

本稿ではアクセス解析上でのサイト内検索分析について、「取るべき項目・指標」と「どうやって読み説くか」ということをサラッと書こうと思います。

 

まず取るべき項目と指標について。ザッと下記のようなものが取れていればOKです。

  1. サイト内検索キーワード
  2. 検索回数
  3. 0件検索回数
  4. 検索結果クリック数
  5. 一訪問あたりの検索結果クリック数
  6. 検索後のPV数

※一旦上記の取り方をサラッと説明しますが、既に取れてるのであれば、下の方の「ここから分析!!」というところまで読み飛ばしてしまってください。

 

サイト内検索キーワードについては、検索結果ページのURLクエリパラメータに検索語句が入ってる場合、簡単に取れます。

例えば内のサイトなら「analytics」という語句でサイト内検索すると、「http://www.pablos.jp/?s=analytics」となるので、ここから”analytics”を引っこ抜けば良い。GAなら「レポート ビュー設定」の画面でパラメータ”s”を指定すればOKなので楽チン。AdobeならJavaScriptファイルにgetQueryParamのファンクションを書くか、Processing Ruleで設定してeVar変数にセットするなりのやり方がある。いずれにせよ、検索クエリがURLに付いてれば楽に取れます。

URLに検索クエリが残らない場合(Ajax使ってるとか含む)は、サーバサイドから吐く・自力でDOMを抜く・Ajax実行時にカスタム変数に出力する等々、面倒ですがやり方はあるので、ツールベンダーなりウェブに詳しいコンサルなりに相談しましょう。

 

次に[0件検索回数]ですが、これは「サイト内検索されたけど、”見つかりません”となった回数」を意味します。例えばこんな風になること→http://www.pablos.jp/?s=datamining

このデータを取るのは若干手がかかる可能性があります。自社のシステム部なりツールベンダーなりに相談して、結構お高いカスタマイズの見積もりが出てくる可能性もあるでしょう。そんな時はもう、JavaScriptをゴリゴリと書いて、DOMから「見つかりません」などの固有ワード有無を判定してしまうのが手っ取り早いし安いので、付き合いのある制作会社さんなり、技術に強いウェブコンサルに相談しましょう。

 

[検索結果クリック数]は、クリックのタイミングでカスタムイベントとして飛ばす必要があります。この辺もやり方はいくらでもあると思いますが、GTM等のクリック計測の仕組みとか使っちゃうのが手っ取り早いかもしれません。

 

以上のような設定ができれば、下記項目は大体出揃うので、さて分析、と。

  1. サイト内検索キーワード
  2. 検索回数
  3. 0件検索回数
  4. 検索結果クリック数
  5. 平均検索結果クリック数
  6. 検索後のPV数

※検索後のPV数は、GAで取れるのかどうかよくわかってないので触れずに行きます笑Adobeなら1が取れる時点で勝手に取れるので、無視します。

 

こっから分析!!

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滞在時間?離脱率?いらなくない???part2

前回の投稿(「滞在時間?離脱率?いらなくない???」)が意外にもトラフィックを集めてビックリです。すいません、ありがとうございます。ちなみに流入元はa2iとfacebookで半々です。

続き書きます。続きまして、「離脱率」についてです。(「コンバージョンフローの最後のページは離脱率が高くても良い」、みたいな無粋な話は省きます。)とりあえず離脱率について書きますが、それだけじゃ若干面白く無いので、ついでに「直帰率」とInformation Architechtsの話にもちょこっと触れてから締めます。なお、本稿もあくまで一企業のウェブ担当者たる個人の私見ですので、悪しからず。

《[離脱率]指標の問題》

さて本題です。「離脱率」ってなんですか・・・?指標としての定義で言えば、「そのページが訪問セッションの最後のページになった回数」なわけですが。

SiteCatalystで言えば、30分以上の無操作状態、もしくは12時間以上の継続的な操作でもセッション終了(離脱)になります。GAはデフォルトが30分ですが、セッションタイムアウトは自分でも設定変更可能っぽいです。以前はブラウザ閉じたらその時点で離脱(セッション終了)になってた気がしますが、今は分からんです。

で、話を戻しまして。「このページは離脱率が高いですね」。と言われたとします。

だから何だっていうんですか???

っていう。「このページは離脱率が高い」。・・・。それのどこが問題なのでしょう????「このページは離脱率が高いので改修しましょう!」まで言われた日にはもう、

はぁ・・・????

ってな具合です。それはなぜか。例を挙げて考えるため、下記のようなケースを想定します。

  • 三つのタイプのページ、「Site Top」「Product Category」「Product Detail」があるとします。
  • Product Categoryは複数で比較するため、1と2で単純に比較できるようにします。
  • Aさん、Bさん・・・Eさんの5人が以下のような行動を取った仮定します。

A:Top>Category1>Detail>Detail>Category1

B:Top>Category2>Detail>Category1

C:Category2>Category1>Detail>Top

D:Category1>Detail>Category2>Category1

E:Categry1>Detail>Detail>Category2>Detail>Top

この場合、各項目の指標は下記の通りになります。

訪問回数 離脱数 離脱率
Site Top 4 2 50%
Product Category 1 5 3 60%
Product Category 2 4 0 0%
Product Detail 4 0 0%

さて、上記の表を見て、「離脱率」が高い=悪いページと仮定して良し悪しを判定しようとすると、Product Category1が悪いページになります。

が、実際は違う、ということが分かるかと思います。なぜなら、Categoryページの役割はあくまで商品詳細ページへ誘導するための一覧ページにすぎないからです。なので、本来は商品詳細ページへどれだけ遷移させているかを判定基準として用いるべきです。その辺りを加味して見ると下記のようになります。

訪問回数 Detail遷移率 離脱率
Site Top 4 0% 50%
Product Category 1 5 80% 60%
Product Category 2 4 25% 0%
Product Detail 4 0%

この結果を見ると、Category1はDetail(商品詳細ページ)に80%遷移させていますが、Category2は25%しか遷移させていません。そのため、むしろ問題なのはCategory2、ということになります。

以上のようなことを考えていくと、

  • 「離脱率」だけを見てしまうと、本来の成果を読み違える

ということが起きてしまいます。これが最大の問題だと個人的には思っています。

また一方で、サイトの性質にもよりますが、例えばFAQページなどの収益ではなくコストを生む可能性があるサイトでは、逆に出来の悪いページほど離脱率が低くなる、というのも考えられると思います。

例えば、「保険を申し込みたいけど、申し込み方が分からない・・・」みたいなケースだと、サイトで調べるために流入し、サイト内検索から答えを見つけ出そうとする、というようなことがあると思います。サイト内検索する>一番上位表示のページに遷移>求めてる答えじゃない>サイト内検索結果一覧に戻る>二番目のページに遷移>・・・みたいな。こういったことを想定すると、逆にユーザーの質問に回答できていない悪しきページほど離脱率は低くなることになります。ただし、離脱率が高いからといって、良いページ、ということも言えないのは自明かと思います。

つまるところ、

  • 「離脱率」もユーザーの行動を推し量る指標には成り得ない

ということが言えると思います。そして、私が「離脱率」たる指標が不要だと思う理由もこういったあたりにあります。

 

さて、このあたりで最初に予告したとおり、「直帰率」やInformation Architechtsの話にも少し触れます。

上の方でもサラッと記述したとおり、サイトのタイプやページグループの役割によって見るべき指標は変化します。

「直帰率」という指標も、今回記述した「滞在時間」や「離脱率」あたりの数値よりはページを評価するにあたってずっとまともで利用に価する指標だとは思ってますが、それでもサイト構成やページ構成を踏まえずに数字だけ追ってしまうと間違った判断をしかねない指標だと思っています。

結局そのあたりの判断指標、所謂KPI的なものの設定については、サイトの設計に基づいて適切な指標を定義する必要性があるのだと考えています。つまるところ、Information ArchitectsやConcept Diagramといった考えに基づかない限り、アクセス解析における指標を正確に判断していくことは難しいというか、ミスリードが増えると思います。

ということで、いずれ暇な時にでも、その辺りについて少し深く掘ってみようと思います。

滞在時間?離脱率?いらなくない???

ウェブ解析が市民権を得、「KPI」や「PDCA」ということが業務内でも頻繁に用いられるようになった昨今。

それ見て何すれば良いんですか?

っていうレポートがたまにあって、戸惑うことがたまにあります。

それが「平均ページ滞在時間」と「離脱率」の二つ。

vainmetrics

上記のとおり、Google Analyticsではデフォルトで表示されるこの二つの指標。

必要ですか? そのページの滞在時間とか見て、何が分かるのでしょう??

 

というのが、本稿の問題提起です。結論から申し上げると、私個人としては「いらない」と思ってますし、絶対使わない指標の一つです。なぜなら、上に挙げた指標というのは、計測定義上の問題や、前提としての用途の問題、使う場合の複雑さの問題などなど、多くの課題が存在するためです。

以下、その辺り掘り下げていきます。なお、「私個人」の立ち位置は、BtoCサービスを運営する事業者側(notウェブ専業・コンサル)のウェブ分析・改善担当者です。基本的にウェブの指標等は、見る人の立場によっても変化するものだと思うので、「上記のような分析・改善担当者の場合は」という観点のお話だと捉えていただければと思います。

 

《[滞在時間]指標の問題》

まず[滞在時間]の計測定義については、GAやSiteCatalystをご利用の担当者であれば概ね理解されていることだとは思います。滞在時間は基本的に、「当該ページと次ページのタイムスタンプの差分」によって計測されます。そのため、ノンカスタマイズの場合、訪問者が最後に訪れ離脱したページの滞在時間というのは取得されません。(GAの仕様の詳細が追いきれてないので断言できないですが、変更されてなければ今でもそうだと思います。)

そのため、そもそも直帰したユーザーの滞在時間は取得されていないので、LPが一枚完結型で画面遷移を促さないページなどは、直帰率が高まると同時に滞在時間も計測されないケースが増えます。また、例えば特定ページを開いたまま途中でトイレに行くなりなんなりで15分ほどウェブブラウザを放置した後にサイト内のページに遷移すれば、滞在時間には15分加算されたりします。実際は1分しか見ていなくても。

ということで、まず本指標の第一の問題として、

・滞在時間は訪問者の行動に目星を付ける指標としてはあまりに心許ないものである。

と言えます。

また、「滞在時間って伸びると良いの?短いと悪いの?」という問いにも答えられない、非常に曖昧な数値になります。と同時に、滞在時間が伸びる=「そのページが良く読まれている」なのか、それとも「書いてある内容が良く分からなくて時間がかかっている」なのかも判断できない指標です。そのため、第二の課題として、

・滞在時間は、変化に対する良し悪しの判断ができないもの。

という点も挙げられます。

以上のような事由により、個人的にはアクセス解析における[滞在時間]という指標は無意味だと思っています。(ただし、高機能なヒートマップツール等における[滞在時間]や、ターゲティングツールにおける反応速度出し分けの等については、意外と面白いものが導けるので、それはそれとしてまた後日書こうと思います。)

 

《[離脱率]指標の問題》

続いて離脱率のお話ですが、これまた困ったもので、先に結論を申し上げると、重要なのは「離脱率」ではなく「遷移率」でしょ。というのが私見です。

と、ここまで書いておきながら、もう疲れたので一旦筆を置きます。

離脱率についてはまた後日追記します。(飽き性なもので恐縮・・・。)

 

(2014/2/2)追記しました→「滞在時間?離脱率?いらなくない???part2