ヒートマップツールが素晴らしい

ヒートマップツール無しでウェブの改善なんてできない!

ということを最近強く思う。

ウェブ分析(アクセス解析)を中心にデジタルマーケティング領域に携わってきた私ではございますが、アクセス解析の何が厄介って、そりゃもう「ページのどこ直せばいいの!?」という部分が一番の悩みどころだったりしてきたわけです。

アクセス解析ツールを使って分析すれば、サイト全体のパフォーマンスは分かるし、流入単位での成果も分かるし、導線を追えば大体のボトルネックページはあたりがつけられます。つまるところ、「サイトのどこ直せばいいの!?」という設問には簡単に答えられるのです。が、しかし、それだけでウェブサイト改善できるほど世の中甘くない。サイト利用者なめんな、そんな単純な動きしてねーぞ、と。

で、まぁボトルネックを抽出して仮説が立てば、当然そこでOptimizelyなりAdobe Targetなりにかけて改善策の良し悪しを測ることはできる。が、この「改善案」というのが全くもって難しい。テストも三回試してどれも不発なら、ウェブ担当者の心も半ば折れかかる、というもの。コストかけて改修したのに、CVR変わらねぇ・・・、みたいな。

まぁ、それも考えて見れば当然のことで、アクセス解析で訪問者が「どうページを遷移した」かは分かっても、訪問者が「ページのどこを見た」のかは分からないのだから、ページの改修も半ば当てずっぽう、自身の想像の域を超えない改善案しか生まれない。

つまるところ、自身の想像自体が間違っていればThe End…。いつまでたっても成果はでないわけで・・・。

 

そんなこんなで、ヒートマップツール入れました。「ユーザーって実際、ページのどこ見てるの?」という質問に回答するために。(ぶっちゃけ、アクセス解析はもう飽きた。)

さて、長々と書いてしまいましたが、ここからが本題になるわけですが、
その前に一旦ヒートマップツールのタイプについての所感を書きます。

(なお、あくまで以下の文章は一個人としての偏見が入り混じった個人的な所感にすぎないので、全面的に信用することなきようお願いします・・・。詳しい話は各ベンダーさんにお問い合わせください。)

 

【ヒートマップツールのタイプ】

ヒートマップツールにも、大きく分けると2つのタイプがあると考えています。

  1. アクセス解析一体型
  2. ヒートマップ特化型

「アクセス解析一体型」としては、例えばUser InsightであったりPt engineだったりが日本では代表格かと思う。

一体型の良いところは「便利さ」ではないかと。”コンバージョンしたユーザー”でフィルタリングしたり、”LPで直帰したユーザー”みたいな、指標に基づくフィルタリングをするのであれば、やはりアクセス解析ツールと一体化していた方が、指標のズレも防げるので便利。

ただ、アクセス解析一体型にも悪い部分はある。Google AnaltyicsやAdobe Analyticsといった専門性の高いツールと比較すると、上に挙げたようなツールはやはりアクセス解析としての機能が貧弱。GAやAdobeを既に使いこなしているユーザーにとっては、アクセス解析部分は不要だし、裏を返せばGAやAdobeユーザーにとって、User InsightやPt engineのアクセス解析機能はむしろ邪魔にすらなる場合もあると思う。(ツールの二重管理になって、業務負荷を激増させるなど・・・。「GAとAdobeのPV数とかズレてるんだけど、なんで?」的な質問が各部署から飛んでくる、とかね。)

とは言え、逆にこれまでGAやAdobeを利用してこなかった企業にとっては、アクセス解析一体型のヒートマップツールは非常に魅力的じゃないかと。個人的にはPt engineのUIが抜群に素晴らしいので、激押ししたい。グッドデザイン賞も納得のクオリティ。Pt engineは基本的な思想がGoogle Analyticsをベースにしているように感じられ、GAユーザーには結構取っ付き易い部分も多い。

 

一方「ヒートマップ特化型」としては、ClickTaleくらいしかぱっと思いつかなかったりしますが。(なので、以下はとりあえずClickTaleに絞った形で書きます。)

特化型の良いところ(特にハイエンドな特化型)は、やはり「分析力」と「カスタマイズ性の高さ」の二点。流石に特化しているだけあって、多様な要件にしっかりと答えられるJavaScript APIが提供されており、拡張性が高くなっている。つまり、サイト固有の課題により、少々コードに手を加える必要がある、等の事態に簡単に対応できるあたりが強みのだと個人的には思ってます。

アクセス解析という観点で言うと、GAやAdobeとの連携方法は確立されているので、ある程度手間はかかるものの、親和性は担保できそう。アクセス解析側のデータをヒートマップのフィルタリング条件に使用する、ということも、一体型ほどのシームレスさは無いものの普通にできる。

また、直近でもClickTaleとOptimizelyがインテグレーションパートナーになったという発表(こちら参照)もある通り、ABテストツールとの親和性も担保できる点が、個人的には最も重要なところだと考えています。OptimizelyやAdobe TargetのようにDOMで部分出し分けをするタイプのABテストツールにきっちり対応(カスタマイズ)でき、かつABパターンの比較もきっちりできる、という点は、ヒートマップ特化型のツールとしての最大の強みではないかと。(ABテストへの対応は、正直もうちょっと改善の余地はあると思いますが。)

念のため書くと、当然悪いところもある。

先の文で「カスタマイズ性が高い」と書いた通り、カスタマイズが効く分、世話にかかる工数も増える。まぁ、それは当然。逆に手間を掛けたくないのであれば、専門性の高いツールなんて不要なので、アクセス解析一体型のヒートマップの方が良いというもの。マニュアルと運用フローさえ整備してしまえば、まぁなんとでもなるっちゃあなるけど。

 

ということで、一旦ここまで。

「実際何が分かるの?」「どんな成果が挙げられるの??」的な話はまた別途暇を見つけて書ければいいなー。

 

なお重ねて申し上げますが、本稿は「個人の主観に基づく所感」ですので全面的に信用なさらぬよう、あくまでご参考までに。