読んだ。まぁまぁ面白かった。とある青年と哲人との対話形式で進められる本作。自己啓発本の一種だけど、それよりも「アドラー心理学」の導入本として読むには非常に良いのではないかと。
「アドラー心理学はトラウマを明確に否定する」というところから始まる点で、なるほど、と。原因論ではなく、自身の経験に意味付けをし、決定する「目的論」に依拠する点において斬新というか、非常にポジティブな考え方だと思う。
「すべての悩みは対人関係である」とし、つまるところ、変われるのは自分であり他人を変えることはできない、という切り分けを明確にすること。劣等感とは客観的な事実ではなく、主観的な解釈である、と捉えることで自己の振る舞いを考え、「今何をするか」を考えること。承認欲求を否定し、他社への貢献を幸福の礎とすること、などなど。
同じ一つの事柄でも捉え方を変えること、その中で自身の行動を変えていくことにより、幸福を見つけ出すという考え方。
概ね内容としては同意するし、自身のポジティブさもそういった部分に依拠するのだろうと再認するものだった。一方で、ネガティブで自身の殻に閉じこもり勝ちな人がこの本を読むことで考え方の変革が起こるのか、というところは正直分からない。とは言え、考え方は好きです。